#回想

長期縦走の準備



これまでの回想を読んでいたら本当に登山ブログなのか怪しく思えてきたので、長期縦走の出発までに考えていたことを整理しておく。

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約束(南八ヶ岳)



鳳凰三山から下山した僕は、目標が無くなってしまった地上の世界でうつむいていた。

前回一緒に鳳凰三山に登ったワンゲル部のTは、夏休みに入ると部活の合宿で南アルプスに10日前後の長期縦走に行くと言っていた。
Tの話が羨ましく思えてしまったこと、学生の間にしか出来ないということ、体力的に今がピークだと思われること、そして日常に物足りなさを感じているということ。
たくさんの事情が、僕にひとつの目標を打ち立てさせた。

僕も南アルプスを縦走する。
出来れば、他の人に長期縦走だと説明できる程度は日数をかける。

山に登り始めるようになったのが2か月前の僕が、かなり思い切った決断をした。
今やらなかったら、きっと、いつまでたっても中途半端な山しか出来ないと思った。
それほど本気で山をやってみたかった。

それから連日のようにTからルート選定や山の知識、装備などのアドバイスを受けた。
装備がある程度固まり、具体的な日程も決まってバスも予約した。
9月21日(テン場前泊)~29日までの8泊9日の予定だ。

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失意のままに(鳳凰三山)



大学生活の全てを賭けて取り組んできた公認会計士試験の受験は失敗に終わった。
これまで毎日、大学から付与されたデスクで電卓を叩いてきた日々の結果は実を結ばなかった。
それぞれ大きなものを得るはずである大学生活で、たくさんのことを諦めながら、夢を掴みたいと思っていた。
その夢にすら手が届かないという実感が、僕を失意の底に突き落とした。

この時の僕に残されたのは、半年後から始まる就職活動という現実と、それまでの間の束の間の大学生活だった。
そんな中でサイクリングサークルの後輩2人から誘われ、鳳凰三山に登ることになった。

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寒トレ(陣馬山)



2012年になった直後、僕と団長は陣馬山の山頂で夜を明かした。

「本当の山の面白さって富士山を登っただけでは分からないですよ。」
という団長の言葉に興味がわき、ステップアップして彼の言う登山の本当の面白さに近づきたいと思っていた。

昨年の僕の富士登山は半分以上失敗と言っても良いものだったが、それでも、これまでにないほどの感動を得て下山した。
それ以上の世界があるという団長の言葉は、自然と僕の足を山に運んだ。

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富士登山(富士山)



2011年8月に、ダブルスクールの学校で出会った仲間たちと富士登山を行った。
実は昨年の陣馬山への日の出ラン(「初めての登山(陣馬山)」)を境に、自転車をはじめとするアウトドア活動から大きく離れていた。
資格試験の勉強が本格化し、「やるならば本気でやらなければならない」という状況になったからだった。
現にこの年のアウトドア活動は、ゴールデンウィークに自転車で伊豆大島を1泊2日(フェリーで夜を明かしたのを含めると2泊3日)でツーリングしたことと、富士登山を行っただけだった。


三原山の雄大な火口に息を呑んだ。

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初めての登山(陣馬山)



大学1年生の頃から資格試験の勉強を毎日していた僕は、所属していたサイクリングサークルの活動で2ヶ月に一回程度のサイクリングを楽しむことが唯一の楽しみだった。
2010年の春に北海道の田舎から出てきて間もなくの僕は、自分の足で色々な場所を訪ね、仲間たちと寝食を共にするという経験に大きな意味を感じていた。

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