大学生活の全てを賭けて取り組んできた公認会計士試験の受験は失敗に終わった。
これまで毎日、大学から付与されたデスクで電卓を叩いてきた日々の結果は実を結ばなかった。
それぞれ大きなものを得るはずである大学生活で、たくさんのことを諦めながら、夢を掴みたいと思っていた。
その夢にすら手が届かないという実感が、僕を失意の底に突き落とした。

この時の僕に残されたのは、半年後から始まる就職活動という現実と、それまでの間の束の間の大学生活だった。
そんな中でサイクリングサークルの後輩2人から誘われ、鳳凰三山に登ることになった。

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